ネイチャーバイオ・サイエンス 日本版 — Nature、Science、Cell、The Lancet、NEJMなど世界の学術誌の研究を、原著論文に基づいて解説する科学ニュース。各記事に原著論文の書誌情報とDOIを掲載しています。
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- 生命科学フロンティアThe New England Journal of Medicine1回の注射でCRISPR編集、遺伝性血管性浮腫の発作が87%減少 第3相試験
体内で肝細胞の遺伝子を直接編集する治療薬ロンボグラン・ジクルメラン(lonvo-z)が、第3相試験で月平均の発作回数をプラセボと比べて87%低下させた。80人を2:1で無作為に割り付けた結果がNEJMに掲載された。
- 生命科学フロンティアNature脳の神経細胞の「マイクロエクソン」を数百個新たに発見、自閉症関連の変異を特定
トロント大学の研究チームが、神経細胞でのみ挿入される超小型エクソンの地図を広げ、機械学習でその調節規則を読み解いて、自閉症の当事者のゲノムでスプライシングを乱すと予測される変異を見つけ出した。
- 代謝・老化Cell Metabolism脂肪組織が筋肉を守る NAD+シグナルで分泌されるタンパク質が筋萎縮を抑制
マウスで、脂肪組織由来のSerpina3nが、加齢・四肢固定・がん悪液質モデルでの筋肉の減少を防いだ。
- 天然物・植物素材Journal of Natural Products食用シアノバクテリアの紫外線吸収物質「サクリピン」、生合成の最初の段階を担う酵素AsLOX2を解明
日本の名城大学の研究チームが、スイゼンジノリのリポキシゲナーゼがα-リノレン酸を酸化して、サクリピン生合成の入り口となる中間体をつくることを明らかにした。
- 食品・栄養・規制Food and Chemical Toxicologyスピルリナ・クロレラのサプリメントのシアノトキシン汚染、肝臓・神経毒性のメカニズムを総整理
インドの研究チームがFood and Chemical Toxicologyに発表したレビューは、シアノバクテリア・微細藻類由来のサプリメントから検出されるシアノトキシンの種類と臓器別の毒性メカニズムを整理し、慢性的な低用量曝露とバイオアベイラビリティに関する資料が不足していると指摘した。
- 食品・栄養・規制The American Journal of Clinical Nutrition地中海式ライフスタイルの上位25%、死亡リスク30%低下 10万人を13年追跡
オランダのLifelinesコホート10万5,812人を中央値13.25年追跡した結果、食事・活動・休息・社会活動を含む地中海式ライフスタイルのスコアが高いほど全死亡リスクが低く、この関連は所得・学歴の水準にかかわらず認められた。
- 生命科学フロンティアScienceワクチン接種後に熱が出る理由は腸内細菌にあった 成人171人を追跡
マックス・プランク生物学研究所の研究チームが、新型コロナのmRNAワクチン接種者171人を追跡し、接種前に腸内の鞭毛をもつ細菌が多く、腸の炎症シグナルが高い人ほど発熱のリスクが大きいことを確認した。オルガノイドと無菌マウスの実験でも因果性を裏づけた。
- 生命科学フロンティアScience「DNAタイプライター」で受精卵から128万細胞まで、マウスの発生系譜を復元
ワシントン大学のジェイ・シェンデュア教授のチームが、細胞が分裂するたびにDNAに順番に記録を残す分子記録装置を用いて、マウス胚1個の約2週間の発生過程を、128万個の細胞の系統樹として再構成した。
- 生命科学フロンティアNature免疫細胞を残した肺オルガノイド、組織常在T細胞でウイルスを制御
ヒトの肺組織片をそのまま培養し、T・B・NK細胞を含むオルガノイドを作製して、組織常在記憶T細胞の防御機能を確認した。
- 代謝・老化Nature Aging脂質鎖の伸長、線虫・ショウジョウバエ・マウス・ヒトに共通する老化の指標と確認
脂肪酸鎖長の増加は、種を超えて保存された老化の特徴であり、これを元に戻すと線虫の寿命が延びた。
- 代謝・老化Nature Metabolism栄養成分が同じでも超加工食品はインスリンをより上げる 57人のクロスオーバー試験
同じエネルギー・栄養素にそろえた食事でも、加工の程度によって食後の代謝反応と脳の反応が異なった。
- 代謝・老化Nature Aging老化細胞がたまる理由 マクロファージの「オートファジー」低下が掃除を妨げる
マウス研究で、シャペロン介在性オートファジーが低下すると、免疫細胞が老化細胞を取り込めなくなった。