臨床・新薬
PD-1・VEGF二重特異性抗体イボネシマブ、EGFR肺がんの第3相試験で生存期間が2.7カ月延長
標的治療後に進行したEGFR変異肺がんで、二重特異性抗体を化学療法に加えたところ全生存期間が延びたとの最終結果が発表された。

EGFR変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)は、標的治療薬(EGFR-TKI)がよく効くものの、やがて耐性が生じ、その後の選択肢は多くない。HARMONi-A研究チームは、免疫チェックポイントのPD-1と血管新生因子のVEGFを同時に捉える二重特異性抗体(bispecific antibody)のイボネシマブ(ivonescimab)を化学療法に加えた第3相試験の、最終的な全生存期間の結果をJAMAに発表した。
中国55施設のプラセボ対照第3相試験
EGFR-TKIによる治療後に進行した非扁平上皮NSCLCの成人322人を1対1に分け、ペメトレキセドとカルボプラチンに、イボネシマブ(20mg/kg)またはプラセボを加えて4サイクル投与したのち、維持療法を続けた。主要評価項目は独立判定による無増悪生存期間(PFS)で、先の解析ですでに改善が確認されている。今回の報告は、階層的に検定された重要な副次評価項目である全生存期間(OS)を扱った。
追跡期間の中央値32.5カ月で、全生存期間の中央値は16.8カ月対14.1カ月、ハザード比は0.74で有意であった。30カ月生存率は29.1%対18.4%だった。一方、グレード3以上の治療中の有害事象は、イボネシマブ群67.1%、プラセボ群54.7%と、より多かった。
意義と限界
免疫がん治療と抗血管新生の機序を1つの分子に持たせた薬が、生存上の利益まで示した点に意義がある。ただし、生存期間の中央値の差は2.7カ月で、毒性は増えた。中国の患者のみが参加し、対照群が化学療法単独であったため、他の最新の二次治療と比べた位置づけや、他の人種での効果については別途確認が必要である。
- 全生存期間の中央値16.8カ月対14.1カ月、ハザード比0.74(重要な副次評価項目)
- 主要評価項目は独立判定による無増悪生存期間、322人のプラセボ対照二重盲検第3相試験
- グレード3以上の有害事象は67.1%対54.7%と増加
研究の限界 中国のみの試験で、化学療法単独とだけ比較しているため、他の二次治療と比べた効果や人種間での一般化は未確認である。
原著論文
- HARMONi-A Study Investigators · HARMONi-A研究チーム(中国55施設). Bispecific Antibody Ivonescimab Added to Chemotherapy in EGFR-Variant Non-Small Cell Lung Cancer: The HARMONi-A Randomized Clinical Trial. JAMA. DOI: 10.1001/jama.2026.7745
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