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朝鮮人参287系統のゲノムを再解読 ジンセノサイドの多様性を分ける糖転移酵素2種を確認

中国農業科学院の研究チームが、朝鮮人参の集団ゲノムとジンセノサイド169種を併せて解析し、重要な分岐点となる酵素PgUXTとPgURTを見いだした。

掲載誌
Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)
論文発表
執筆
NBS編集部
朝鮮人参287系統のゲノムを再解読 ジンセノサイドの多様性を分ける糖転移酵素2種を確認

中国農業科学院(Chinese Academy of Agricultural Sciences)特産動植物研究所などの研究チームが、朝鮮人参(Panax ginseng)287系統のゲノムを再解読し、ジンセノサイド(ginsenoside)169種の含量もあわせて分析して、栽培化の過程と有効成分の多様性の遺伝的基盤を示した。論文は米国科学アカデミー紀要(PNAS)にオンライン掲載された。

地域と果実の色で分かれた5つの系統群

集団遺伝学的解析の結果、朝鮮人参の系統は、地理的分布と果実の色によって5つの群に分かれた。選択的スイープ(selective sweep)解析では、環境適応や成長に関わる遺伝子だけでなく、トリテルペン生合成遺伝子にも、栽培化の過程で選択を受けた痕跡が見られた。系統群の間でジンセノサイドの組成が異なる様相も確認された。

メタボローム全ゲノム関連解析(mGWAS)では、ジンセノサイドと関連する一塩基多型(SNP)が1万2,676個見つかった。これをもとに研究チームは、糖転移酵素(glycosyltransferase)2種のPgUXTとPgURTを見いだし、機能を検証した。それぞれキシロースとラムノースを付加する役割を持ち、集団内のジンセノサイドの半数以上の蓄積量に影響を及ぼしていた。2つの酵素の遺伝子型の分布が、系統群ごとのジンセノサイドの違いと対応していることから、研究チームはこれらを、ジンセノサイドの多様化における重要な分岐点の調節因子の候補とした。確認された遺伝的変異を機械学習モデルに入力し、個体ごとのジンセノサイド含量を予測する試みもあわせて示された。

今回の研究は、ゲノム・メタボローム解析と酵素機能の検証に関するものであり、ジンセノサイドのヒトでの有効性は扱っていない。解析した系統の地理的範囲と、韓国国内で栽培されている朝鮮人参への適用の可能性については、原文で別途確認する必要がある。

この記事のポイント
  • 朝鮮人参287系統の再解読とジンセノサイド169種のプロファイリング、5つの系統群に区分
  • mGWASで関連SNP 12,676個を確認、糖転移酵素PgUXT(キシロース)・PgURT(ラムノース)の機能を検証
  • 2つの酵素が、集団内のジンセノサイドの半数以上の蓄積量に影響

研究の限界 ゲノム・メタボロームの研究であり、ジンセノサイドのヒトでの有効性は評価しておらず、韓国国内の品種への適用は別途検証が必要である。

原著論文

  1. Zhang Y, Wang K, Li Z, Yu X, et al. · Institute of Special Animal and Plant Sciences, Chinese Academy of Agricultural Sciences. Population genomics reveals ginseng domestication and ginsenoside biosynthesis. Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS). DOI: 10.1073/pnas.2535250123

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