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BMIだけでは肥満を診断できない…「臨床的肥満」の新しい診断基準を提示

専門家58人の委員会が、臓器機能の異常の有無で、肥満を「疾患」と「リスク状態」に分けることを提案した。

掲載誌
The Lancet Diabetes & Endocrinology
論文発表
執筆
NBS編集部
BMIだけでは肥満を診断できない…「臨床的肥満」の新しい診断基準を提示

体格指数(BMI)だけで肥満を診断する方法を改めようという、国際専門家委員会の報告書が、『The Lancet Diabetes & Endocrinology』に掲載された。英国のキングス・カレッジ・ロンドン(King's College London)のルビーノ(Rubino F)教授らが率い、複数の専門分野と国の専門家58人が、合意形成の手続きに参加した。肥満を直接経験した当事者も、委員に含まれた。

「臨床的肥満」と「前臨床的肥満」の区分

委員会は、過剰な脂肪(adiposity)のために臓器・組織の機能が低下したり、日常生活に相当な制約が生じたりした状態を、「臨床的肥満(clinical obesity)」という慢性疾患と定義した。一方、脂肪は多いが臓器機能が保たれている状態は「前臨床的肥満(preclinical obesity)」に分類し、糖尿病や心血管疾患などのリスクは高いが、まだ疾患ではない段階とみなした。

診断の手順も変わる。BMIは集団レベルのリスク評価やスクリーニングにのみ用い、個人については、体脂肪の直接測定や、腹囲、ウエスト・ヒップ比、ウエスト・身長比などの指標を1つ以上加えて、過剰な脂肪を確認することを勧めた。BMIが40を超える場合は、別途の確認なしに過剰な脂肪とみなせる。臨床的肥満には、時機を逃さないエビデンスに基づく治療を、前臨床的肥満にはカウンセリングと経過観察を推奨した。勧告案は委員の90~100%の合意を経ており、76の団体が支持した。

診療現場への適用は検証が必要

肥満を体重ではなく臓器機能を中心に見ようという提案である点で、意義が大きい。ただし、新たな臨床データを示した研究ではなく専門家の合意文書であり、この基準が実際の診療や保険・政策の決定でどれだけ正確で実用的かは、別途の検証が必要である。

この記事のポイント
  • 過剰な脂肪により臓器機能の低下や日常生活の制約が生じた状態を、「臨床的肥満」(疾患)と定義
  • BMIはスクリーニング用で、個人の診断は体脂肪の測定や腹囲などの追加指標で確認
  • 専門家58人が合意し、76の団体が支持

研究の限界 専門家の合意文書であり、新たな臨床データは含まれておらず、診断基準の現場での正確度は検証が必要である。

原著論文

  1. Rubino F, et al. · King's College London. Definition and diagnostic criteria of clinical obesity. The Lancet Diabetes & Endocrinology. DOI: 10.1016/S2213-8587(24)00316-4

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原著論文の著作権は、各出版社および著者に帰属します。

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