代謝・老化
糖尿病高リスクの「クラスター5」、肥満手術後の糖尿病予備群の寛解が最多
代謝の特徴で分けたテュービンゲン・クラスターによって、肥満手術の血糖改善効果が異なった。

糖尿病のリスクがある肥満の人を、代謝の特徴に基づいて細かな型に分けると、肥満代謝手術(bariatric surgery)の血糖改善効果が型ごとに異なるという研究が、『Diabetes Care』に掲載された。ドイツのテュービンゲン大学病院(University Hospital of Tübingen)の研究チームが、フランスとイタリアのコホートのデータとあわせて解析した。
3つのコホートにテュービンゲン・クラスターを適用
研究チームは、糖尿病はないが体格指数が高くリスク群に属する人々を、これまでに提案されている「テュービンゲン・クラスター(Tübingen Clusters)」に割り当てた。このうち5番(C5)と6番(C6)のクラスターは糖尿病や併存疾患のリスクが高い群、4番(C4)はリスクが低い群である。参加者は血糖値が正常か、糖尿病予備群だった。手術を受けたフランス・リール(Lille)の発見コホートとイタリア・ローマの再現コホート、行動修正のカウンセリングのみを受けたドイツ・テュービンゲンの対照コホートを比較した。
発見コホートでは、C4が121人、C5が180人、C6が503人だった。体重減少率はクラスター間で同程度だったが、インスリン抵抗性の低下とβ細胞(β-cell)機能の改善はC5で最も大きかった。糖尿病予備群の寛解率もC5が最も高く、C4が最も低かった。2つの手術コホートのどちらでも、高リスクのクラスターから低リスクのクラスターに移った人が出たが、対照コホートではこうした移動はなかった。
個別化治療の手がかり、ランダム化比較ではない
同じ程度に体重を減らしても、代謝面での利益は型によって異なりうることを示しており、手術の対象者を選ぶ際に参考となる基準になる可能性がある。ただし、ランダム割り付けではない観察コホートの比較であり、クラスターごとの寛解率の数値や長期的な糖尿病の発症については抄録で確認できず、さらなる検証が必要である。
- 糖尿病のない高BMIのリスク群を、テュービンゲンの代謝クラスター(C4・C5・C6)に分類
- 体重減少は同程度だったが、インスリン抵抗性とβ細胞機能の改善はC5で最大
- 糖尿病予備群の寛解率はC5が最高でC4が最低、手術群でのみ高リスクから低リスクのクラスターへの移動が見られた
研究の限界 ランダム割り付けではない観察コホートの比較であり、手術効果の因果的な大きさを断定することはできない。
原著論文
- Sandforth L, et al. · University Hospital of Tübingen. Subphenotype-Dependent Benefits of Bariatric Surgery for Individuals at Risk for Type 2 Diabetes. Diabetes Care. DOI: 10.2337/dc25-0160
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