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漢方薬の枳殻抽出物、うつ病モデルのマウスで海馬のカスパーゼ-4抑制を介して効果
枳殻の水抽出物がマウスの海馬でカスパーゼ-4を抑え、神経新生とシナプスタンパク質を増やしたという動物実験の結果である。

漢方で気の滞りを解く生薬に分類される枳殻(Aurantii Fructus)が、うつ病モデルのマウスで抗うつ様の効果を示したという動物研究が、Journal of Ethnopharmacologyに掲載された。中国・南京中医薬大学附属病院(江蘇省中医院)の研究チームは、効果の鍵として海馬の炎症関連酵素カスパーゼ-4(caspase-4)を挙げた。
2種類のストレスモデルで確認
研究チームはまず、超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)で枳殻水抽出物の主要成分であるヘスペリジン、ナリンギン、ネオヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチンを定量し、バッチ間のばらつきが5%未満であることを確認した。慢性予測不能軽度ストレス(CUMS)と慢性拘束ストレス(CRS)を与えたマウスに抽出物(2g/kg)を1回経口投与したところ、24時間以内にショ糖水の嗜好性が回復し、強制水泳での無動時間はケタミン投与時と同程度まで短縮した。
ストレスで増えていた海馬のカスパーゼ-4は、抽出物の投与後に正常なレベルに戻り、歯状回の新しい神経細胞とシナプスタンパク質(PSD95、シナプトフィジン)が増加した。海馬でカスパーゼ-4を人為的に過剰発現させるとこうした効果は消失したため、研究チームはこの酵素の抑制が作用の中心だと解釈した。
マウスでの実験結果であり、投与量も体重1kgあたり2gと多い。ヒトのうつ病で同じ効果が現れるかどうかは、臨床試験で確かめる必要がある。
- 枳殻水抽出物の主要フラボノイド5種を定量し、バッチ間のばらつきは5%未満
- CUMS・CRSのマウスで、単回投与の24時間以内にうつ様行動が改善
- 海馬のカスパーゼ-4を過剰発現させると効果が消失し、作用標的として提示
研究の限界 マウスの動物実験で、高用量を投与した結果であるため、そのままヒトに当てはめることはできない。
原著論文
- Wu L, et al. · Affiliated Hospital of Nanjing University of Chinese Medicine. Aurantii Fructus alleviates depression via modulating hippocampal caspase-4-linked neurogenesis and synaptic plasticity in mice. Journal of Ethnopharmacology. DOI: 10.1016/j.jep.2025.120406
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