臨床・新薬
採血1回で大腸がんを検診、cfDNA検査の大腸がん感度は83%
大腸内視鏡検査と比べた結果、血液cfDNA検査は大腸がんの83%を見つけたが、前がん病変は13%しか捉えられなかった。

大腸がん検診の対象者の相当数が、内視鏡検査や便検査を先延ばしにしている。米マサチューセッツ総合病院のダニエル・チョン(Daniel C Chung)教授らは、血液中の無細胞DNA(cfDNA, cell-free DNA)を解析する大腸がん検診検査の性能を評価したECLIPSE研究を、NEJMに発表した。血液検査は採血だけで済むため、検診の参加率を高められるという期待が寄せられてきた。
大腸内視鏡検査を基準とした診断精度の研究
この研究は、医薬品の臨床試験ではなく診断精度の研究であり、臨床試験の段階の区分はない。検診対象である平均的リスクの成人10,258人を募集し、基準を満たした7,861人の血液検査の結果を、大腸内視鏡の所見と比較した。共同の主要評価項目は、大腸がんの感度と、進行性腫瘍(大腸がんまたは進行性の前がん病変)に対する特異度だった。
血液検査は、内視鏡で確認された大腸がんの83.1%を陽性として捉え、ステージ1〜3の大腸がんでは87.5%だった。進行性腫瘍がない人の89.6%が陰性となり、約10%は偽陽性だった。一方、進行性の前がん病変の感度は13.2%にとどまった。採血以外の処置によるリスクはないが、偽陽性と判定された場合は、追加の内視鏡検査が必要になる。
意義と限界
内視鏡検査を避ける人にとっての選択肢になりうるが、ポリープを見つけて切除することでがんを予防するという内視鏡の役割を代替することは難しい。検査の開発元(Guardant Health)が研究費を提供しており、実際の死亡率の低減効果と適切な検査間隔は、別途検証する必要がある。
- 共同の主要評価項目:大腸がんの感度83.1%、進行性腫瘍の特異度89.6%
- 平均的リスクの成人7861人、大腸内視鏡検査と比較した診断精度の研究
- 進行性の前がん病変の感度は13.2%と低く、約10%は偽陽性
研究の限界 前がん病変の検出力が低く、内視鏡検査の代わりにするのは難しい。死亡率の低減効果はまだ確認されていない。
原著論文
- Chung DC, et al. · Massachusetts General Hospital. A Cell-free DNA Blood-Based Test for Colorectal Cancer Screening. The New England Journal of Medicine. DOI: 10.1056/NEJMoa2304714
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