食品・栄養・規制
植物性タンパク質食品101種を分析 カビ毒25種・アルカロイド8種を検出
プラハ化学技術大学の研究チームが、植物性タンパク質の分離物・押出成形品・ベジバーガーなど101件の試料で、カビ毒57種と植物アルカロイド48種を、高分解能質量分析でスクリーニングした。テヌアゾン酸は最高2,800μg/kg、アトロピン・スコポラミンも大豆から検出された。

食肉代替食品や植物性タンパク質製品の自然毒汚染の実態を扱った分析研究が、Food Chemistryに公開された。チェコ・プラハ化学技術大学(UCT Prague)食品分析・栄養学科の研究チームは、タンパク質分離物・濃縮物、押出成形品、ベジバーガーミックスなど101件の試料を対象に、カビ毒(mycotoxin)57種、トロパンアルカロイド(tropane alkaloid)16種、ピロリジジンアルカロイド(pyrrolizidine alkaloid)32種を、超高速液体クロマトグラフィー-高分解能タンデム質量分析(U-HPLC-HRMS/MS)で同時に分析した。
その結果、カビ毒25種とアルカロイド8種が定量された。最も多かったのは、エンニアチン(enniatin)類とアルテルナリア(Alternaria)のカビ毒だった。最高濃度は、テヌアゾン酸(tenuazonic acid)が2,800μg/kg、デオキシニバレノール(deoxynivalenol)が890μg/kgだった。植物アルカロイドのうちでは、アトロピンとスコポラミンが最も頻繁に検出され、大豆の試料で、それぞれ最大33μg/kg、12μg/kgが測定された。
どの製品群が曝露に寄与するか
リスク評価では、押出成形した大豆製品、ベジバーガーミックス、米タンパク質が、自然毒曝露の主な寄与源に挙げられた。特に、アフラトキシンB1、アルテルナリア毒素、アトロピン・スコポラミンは、子どもで曝露リスクが相対的に高いと推定された。研究チームは、植物性タンパク質の市場が急速に拡大しているのに比べて、アルカロイド類の汚染データが不足しているとして、継続的なモニタリングの必要性を指摘した。
この研究は、特定の国の市場で集めた101件の試料の横断調査であり、曝露の推定は摂取量の仮定によって変わる。検出そのものが健康被害を意味するわけではなく、規制基準値との比較と長期曝露の評価は、今後の課題として残る。
- 101件の試料、カビ毒57種+アルカロイド48種をU-HPLC-HRMS/MSで同時分析
- テヌアゾン酸は最高2,800μg/kg・DON 890μg/kg、アトロピン33・スコポラミン12μg/kg
- 押出成形した大豆製品・ベジバーガーミックス・米タンパク質が主な曝露源、子どものリスクは相対的に高い
研究の限界 単一の国の市場の試料による横断分析であり、曝露の推定値は摂取量の仮定に左右される。検出が直ちに健康被害を意味するわけではない。
原著論文
- Prusova N, Dolezalova T, Dzuman Z, Vitova E, et al. · University of Chemistry and Technology Prague(チェコ). Mycotoxins and plant alkaloids in plant-based protein foods and meat alternatives: Occurrence, exposure and risk assessment. Food Chemistry. DOI: 10.1016/j.foodchem.2026.151250
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