天然物素材の安全性・標準化――基原の確認、指標成分、毒性試験、分析法バリデーション
安全性・標準化
天然物素材は、同じ名前の原料であっても、生物学的な基原、栽培・採取の環境、収穫時期、加工方法によって成分組成が変わることがあります。そのため、原料が何であるかを正確に確認し、一定の品質を保ち、ヒトが摂取したときの安全性を評価することは、あらゆる研究と活用の前提となります。
この分野は、分析化学、毒性学、レギュラトリーサイエンスが交わる領域です。研究結果を相互に比較し再現するには、抽出物の組成を十分に記述する報告基準が必要であり、国際的にはConPhyMPのような抽出物の特性評価に関するガイドラインが議論されています。
主な研究テーマ
- 01基原の確認
形態学的な鑑別とDNAバーコーディングによる種の同定、混入・偽品の判別
- 02品質の標準化
指標成分の設定、成分プロファイル(フィンガープリント)の解析、バッチ間の一貫性の評価
- 03分析法バリデーション
特異性、直線性、正確性、精密性、検出限界・定量限界の検証
- 04有害物質の管理
重金属、残留農薬、カビ毒、微生物汚染の分析と基準
- 05毒性評価
単回・反復投与毒性、遺伝毒性などの非臨床安全性試験
- 06相互作用と有害事象
薬物相互作用の可能性と、摂取後の有害事象の収集・評価
方法論の概観
01原料の同定
証拠標本と遺伝子解析で基原を確認します。
02成分分析
HPLC・LC-MSなどで指標成分と組成を分析します。
03バリデーション
ICH Q2の原則に従って分析法を検証します。
04毒性試験
OECD試験ガイドラインに基づく非臨床試験を実施します。
05レギュラトリーサイエンス
韓国内外の基準と認定制度の科学的根拠を研究します。
参考文献
- Heinrich M, Jalil B, Abdel-Tawab M, et al. Best practice in the chemical characterisation of extracts used in pharmacological and toxicological research — The ConPhyMP-Guidelines. Front Pharmacol 2022;13:953205.
- ICH(International Council for Harmonisation) Q2 — Validation of Analytical Procedures; ICH M3 — Nonclinical Safety Studies.
- OECD Guidelines for the Testing of Chemicals, Section 4: Health Effects.
- 「健康機能食品に関する法律」および韓国食品医薬品安全処の健康機能食品の機能性原料の認定に関する告示(大韓民国)。