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老化の特徴12項目と代謝研究――活性酸素・ミトコンドリア・細胞老化

代謝・老化研究

代謝(metabolism)とは、生物が栄養素からエネルギーを得て、貯蔵し、体を構成する物質を合成・分解するすべての化学反応を指します。老化(aging)は、時間の経過とともに生理機能が徐々に低下していく過程で、多くの慢性疾患の最大の危険因子として知られています。

老化生物学では、さまざまな生物種に共通して観察される老化の分子的・細胞的な特徴を、「老化の特徴(hallmarks of aging)」として整理してきました。2013年に9項目として示されたこの枠組みは、2023年に12項目へ拡張され、栄養感知経路、ミトコンドリア機能、細胞老化、慢性炎症などが、代謝研究と密接に結びついています。

ゲノム不安定性テロメアの短縮エピジェネティックな変化タンパク質恒常性の低下オートファジー機能の低下栄養感知の調節異常ミトコンドリア機能異常細胞老化幹細胞の枯渇細胞間コミュニケーションの変化慢性炎症腸内細菌叢の不均衡

主な研究テーマ

  • 01
    栄養感知経路

    インスリン/IGF-1、mTOR、AMPK、サーチュインなどの代謝調節シグナル

  • 02
    ミトコンドリアとエネルギー代謝

    酸化的リン酸化、活性酸素、ミトコンドリアの品質管理

  • 03
    細胞老化

    老化細胞の蓄積と分泌表現型、老化細胞の除去戦略

  • 04
    オートファジーとタンパク質恒常性

    細胞内の損傷した成分を分解・再利用する仕組み

  • 05
    慢性の低グレード炎症

    老化とともに増加する炎症状態(inflammaging)の調節

  • 06
    筋肉・脂肪組織の代謝

    サルコペニア、脂肪組織の機能と全身の代謝との関係

方法論の概観

01モデル生物

酵母、線虫、ショウジョウバエ、マウスなどで寿命と健康寿命を調べます。

02代謝表現型

糖・脂質代謝の指標とエネルギー消費を測定します。

03細胞老化の指標

老化関連マーカーと細胞周期の停止を評価します。

04老化バイオマーカー

エピジェネティック時計など、生物学的年齢の指標を研究します。

05マルチオミクス

ゲノム・メタボロームの統合解析で経路をつなぎます。

参考文献
  1. López-Otín C, Blasco MA, Partridge L, Serrano M, Kroemer G. The hallmarks of aging. Cell 2013;153(6):1194–1217.
  2. López-Otín C, Blasco MA, Partridge L, Serrano M, Kroemer G. Hallmarks of aging: An expanding universe. Cell 2023;186(2):243–278.